医師国家試験 第112回 問395
395 / 400
59歳の男性。激しい前胸部痛と息苦しさのために救急車で搬入された。 現病歴 : 3日前から5分程度のジョギングで前胸部の絞扼感と息苦しさとを自覚 していたが、10分程度の休息で症状は消失していた。本日午前6時30分に胸痛と 息苦しさが出現し、1時間以上持続するため救急車を要請した。 既往歴 : 5年前から高血圧症で降圧薬を服用している。 現 症 : 意識はやや混濁しているが呼びかけには応じる。身長176cm、体重82 kg。体温36.6°C。心拍数114/分、不整。血圧90/46mmHg。呼吸数28/分。SpO 89%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下 。冷汗を認め、四肢末梢に冷感を 認める。心雑音を認めないが、III音を聴取する。呼吸音は両側の胸部にcrackles を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下Fに浮腫を認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球520万、Hb16.3g/dL、Ht51%、白血球15,800、 血小板19万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、AST14U/L、ALT18U/L、 CK420U/L(基準30〜140 、クレアチニン1.8mg/dL。心エコー検査で左室拡張 末期径は51mm、壁運動は基部から全周性に低下しており、左室駆出率は14%で あった。心電図(別冊No. 9 を別に示す。 別 冊 No. 9 緊急で行った冠動脈造影像(別冊No. 10 を別に示す。 冠動脈の責任病変はどれか。


正解と解説
表示する
左冠動脈主幹部別 冊No. 10
心原性ショックを呈し、心エコーで左室基部から全周性に壁運動が低下し駆出率が14%まで低下していることから、広範な心筋が虚血に陥っていると判断されます。このような広範囲の壁運動障害をきたすのは左冠動脈主幹部の閉塞で、予後不良のためIABPなど補助循環を併用したうえでの緊急血行再建が必要です。単枝病変では障害範囲が限局し、全周性の低下は説明できません。