医師国家試験 第119回 問186
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83歳の男性。意識消失を主訴に救急車で搬入された。 現病歴 : 15年前から高血圧症で治療中。約5年前から家族に難聴を指摘されて いる。3か月前から労作や安静に無関係の動悸を自覚するようになり、通院中の診 療所で心室期外収縮を指摘された。本日、自宅で意識消失し倒れたことに家族が気 付き、救急車を要請した。意識は数秒で回復した。家族によると、搬入時の様子は いつもと変わらないという。 既往歴 : 74歳時に早期胃癌に対して内視鏡治療を施行。 生活歴 : 喫煙は20歳から74歳まで20本/日。飲酒は焼酎のお湯割りを 1 合/日。長男夫婦、孫1人と4人暮らし。 家族歴 : 父親は72歳時に胃癌で死亡。母親は78歳時に心筋梗塞で死亡。 現 症 : ベッドで臥位となっており、開眼している。難聴があるものの、大きな 声で話しかけると、本日の日付や現在いる場所、自分の名前と年齢を正確に答え、 医師が診察していることを理解している。身長172cm、体重59kg。体温 35.6°C。心拍数56/分、整。血圧152/68 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音と に異常を認めない。腹部に異常を認めない。下腿に浮腫を認めない。神経診察では 指示に従って四肢を動かすことができ、明らかな麻痺は認めない。 診察中に患者は再び意識消失し、数秒後に回復した。意識消失時の心拍数は 14/分、不整、血圧は90/56 mmHg、呼吸数は16/分、心電図モニターの波形(別冊 No. 10)を別に示す。その後家族に詳細な病歴聴取をしたところ、今回のような数 秒間の意識消失を5回以上認めていたことが明らかになった。 次に行うべき治療はどれか。

正解と解説
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緊急ペーシング
数秒間の意識消失を繰り返し、発作時の心拍数が14/分と高度徐脈であることから、房室ブロックなどの徐脈性不整脈によるAdams-Stokes発作と考えられます。原因が徐脈であるため、経皮的あるいは経静脈的な緊急ペーシングで心拍数を確保し、その後恒久的ペースメーカ植込みを検討します。脈も血圧も保たれているため胸骨圧迫やカルディオバージョンの適応はなく、リドカインは頻拍性心室性不整脈に用いる薬剤です。