医師国家試験 第113回 問388
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80歳の女性。食欲不振を主訴に来院した。 現病歴 : 昨日の朝から気分が優れず、冷汗と息苦しさが出現し、食欲も低下し た。昨晩も熟睡できなかった。今朝も同様の症状が続いていたが、本人は大丈夫と 言う。同居している夫が心配し、本人とともに受診した。 既往歴 : 変形性膝関節症、高血圧症、 型糖尿病。血糖コントロールは良好で あった。 生活歴 : 夫と 人暮らし。ADLはほぼ自立しているが、歩行時に杖が必要であ る。喫煙は10年前まで、20本/日を50年間。飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 父は脳卒中で死亡。妹が糖尿病。 現 症 : 意識は清明。身長155cm、体重44kg。体温36.0°C。脈拍100/分、 整。血圧114/60mmHg。呼吸数18/分。SpO 98% room air 。眼瞼結膜と眼球結 膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、 肝・脾を触知しない。両側の軽度下浮腫を認める。両側アキレス腱反射の低下を 認める。下肢の振動覚低下なし。 検査所見 : 尿所見:蛋白 +、糖+。血液所見:赤血球404万、Hb12.4g/dL、 Ht37%、白血球15,000、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白6.9g/dL、アル ブミン3.6g/dL、AST71U/L、ALT21U/L、γ-GTP24U/L 基準8〜50 、LD 419U/L 基準176〜353 、CK450U/L 基準30〜140 、CK-MB42U/L 基準20以 下 、血糖234mg/dL、HbA1c6.2% 基準4.6〜6.2 、尿素窒素18mg/dL、クレ ア チ ニ ン0.9mg/dL、Na140mEq/L、K4.0mEq/L、Cl102mEq/L。CRP0.1 mg/dL。12誘導心電図:洞調律でV1-V 誘導でST上昇、II、III、aVF、V5-V6 誘導でST低下を認める。画像所見:胸部エックス線写真で心胸郭比56%、肺血 管影の増強および両側の肋骨横隔膜角の鈍化を認めない。 血糖値とHbA1cの乖離の要因として考えられるのはどれか。
正解と解説
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急激な高血糖週間の集中治療室での管理の後に一般病棟へ転棟し、引き続き 週間の入院期間を必要とした。バイタルサインは安定し、食事も全量摂取であったが、変形性膝関節症による痛みでリハビリテーションを十分に施行できず、ほぼベッド上にいる状態であった。一般病棟転棟後に施行したMini-Mental State ExaminationôMMSEý28点30点満点 。退院前日の夜間にトイレから病室に戻る際に転倒した。
HbA1cは赤血球の寿命を反映して過去1〜2か月の平均血糖値を示す指標であるため、急性疾患に伴って数日前から高血糖が生じても値は上昇しません。本例では急激な高血糖のためHbA1c 6.2%と血糖234mg/dLの間に乖離が生じています。逆に溶血性貧血や失血、鉄欠乏性貧血の治療後などでは赤血球寿命が変化して乖離が生じます。