司法書士試験 (多肢択一式) 2024年度 午前 第13問
13 / 70
抵当権の効力に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいも のの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。 ア 抵当権が設定されている甲建物と抵当権が設定されていない乙建物がその間の隔壁 を除去する工事により一棟の建物となった場合において、甲建物と乙建物が互いに主 従の関係になかったときは、甲建物に設定されていた抵当権は消滅する。 イ 土地の賃借人が当該土地上に所有する建物について抵当権を設定した場合には、そ の抵当権の効力は、当該土地の賃貸人の承諾がない限り、当該土地の賃借権に及ばな い。 ウ 抵当権が設定されている建物について賃貸借契約が締結され、敷金が授受された場 合において、当該賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使して これを差し押さえた後に、当該賃貸借契約が終了し、当該建物が明け渡されたとき は、賃料債権は、敷金の充当によりその限度で消滅する。 エ 抵当権に基づき物上代位権を行使する債権者は、他の債権者による債権差押事件に 配当要求をすることによっても、優先弁済を受けることができる。 オ 第三者が抵当不動産を損傷しようとしているときは、抵当権者は、当該第三者に対 し、その行為の差止めを求めることができる。
正解と解説
表示する
ウオ
ウは、判例上、賃貸借終了後に建物が明け渡されたときは賃料債権は敷金の充当により当然に消滅し、抵当権者が物上代位により差し押さえていた場合も同様であるから正しい。オは、第三者による抵当不動産の損傷のおそれがある場合、抵当権者は抵当権に基づき妨害行為の差止めを求めることができ正しい。アは建物が合体しても抵当権は合体後の建物の持分の上に存続して消滅せず、イは建物の抵当権の効力は従たる権利である敷地賃借権にも当然に及び賃貸人の承諾を要さず、エは物上代位には自ら差押えをすることが必要で配当要求では優先弁済を受けられないので、いずれも誤り。