必修問題
医師国家試験 第119回 問107
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75歳の男性。下行結腸癌術後、肝転移のため在宅療養中である。3年前に下行 結腸癌で手術を受けた。1年前に肝転移を診断されたが、薬物による抗癌治療は選 択しなかった。1か月前から食欲不振が出現し、在宅で1日1,500mLの維持輸液 が開始された。その後徐々にベッド上で過ごすことが多くなり、2週間前から両下 腿の浮腫が増悪している。最近では喀痰が増えてきて、心配した妻から主治医が相 談を受けた。妻と2人暮らしで、患者本人と妻は自宅での療養の継続と自宅での看 取りを希望している。身長165cm、体重52kg。体温36.2°C。脈拍92/分、整。 血圧90/60 mmHg。呼吸数18/分。SpO 96%(room air)。呼吸音は両側胸部で減 弱しており、coarse cracklesと軽度のwheezesを聴取する。心窩部に径 4cmの 有痛性の腫瘤を触知する。両下腿に著明な浮腫を認める。 まず行うのはどれか。
正解と解説
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正解 b
輸液の減量
終末期のがん患者では代謝や腎からの水分排泄が低下しており、1日1,500mLの維持輸液は過剰になりやすいです。両下腿浮腫の増悪、喀痰(気道分泌物)の増加、呼吸音減弱とcoarse cracklesはいずれも輸液過剰による体液貯留を示す所見で、まず輸液量を減らすことでこれらの症状の軽減が期待できます。SpO2は96%と保たれており酸素投与を急ぐ状況ではなく、抗癌治療や透析、下大静脈フィルター留置は本人と妻が望む在宅看取りの方針にそぐわない侵襲的対応です。