司法書士試験 (多肢択一式) 2021年度 午前 第17問
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相殺に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合 せは,後記1から5までのうち,どれか。 ア 時効によって債権が消滅した場合において,その消滅時効期間が経過する以前にそ の債権の債務者が債権者に対する反対債権を有していたときは,その消滅時効期間が 経過する以前に反対債権の弁済期が現実に到来していたかどうかにかかわらず,時効 によって消滅した債権の債権者は,その債権を自働債権とし,その反対債権を受働債 権として,相殺をすることができる。 イ 債務不履行に基づく損害賠償請求権を受働債権とする相殺は,その損害賠償請求権 が人の生命又は身体の侵害によるものであっても,することができる。 ウ 債権が第三者に差し押さえられた場合において,被差押債権の債務者がその差押え 前に被差押債権の債権者に対する反対債権を取得しており,その差押え後にその反対 債権と被差押債権が相殺に適するようになったときは,その反対債権と被差押債権の 弁済期の先後にかかわらず,被差押債権の債務者は,その反対債権による相殺をもっ て差押債権者に対抗することができる。 エ 相殺は,双方の債務の履行地が異なるときであっても,することができる。 オ 債権につき,弁済期が到来していれば,その債権の債務者が同時履行の抗弁権を有 していても,その債権の債権者は,その債権を自働債権として,相殺をすることがで きる。
正解と解説
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ウエ
ウは差押え前に取得した反対債権による相殺は、両債権の弁済期の先後を問わず差押債権者に対抗できるとする無制限説を採る規定・判例どおりで正しく、エは双方の債務の履行地が異なる場合でも相殺ができるとする規定どおりで正しい。アは時効消滅した債権を自働債権とする相殺には、時効完成以前に現実に相殺適状(反対債権の弁済期到来)にあったことを要するとする判例に反し誤り。イは人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権を受働債権とする相殺は禁止されるため誤り、オは同時履行の抗弁権が付着する債権を自働債権として相殺することはできないため誤りである。