医師国家試験 第115回 問390
83歳の男性。食欲が低下し元気がないため妻とともに来院した。 現病歴 : 約5年前から物忘れが目立ち、Alzheimer型認知症と診断されていた。 1年前から記憶の低下がさらに進行し、5分前のことも忘れていることが多かっ た。同居する妻によると、2週前に38°Cの発熱があったが市販の総合感冒薬を内 服して解熱したという。その頃から家でうとうとしながら座っていることが増え、 食事量も半分くらいに減った。1週前、通い慣れている施設から家へ帰る道が初め て分からなくなった。昨日トイレ動作にも介助を要するようになったため、他院に おいて緊急で頭部単純CTを行ったが、異常はなかった。本人は特に苦痛を訴えな いが、妻によると3日前から喀痰がみられるという。 既往歴 : 糖尿病でDPP-4阻害薬を服用中である。 生活歴 : 喫煙は20本/日を40年間。飲酒は機会飲酒。妻と2人暮らし。 家族歴 : 父母とも老衰で死亡。 現 症 : 意識レベルはJCSI-2。身長165cm、体重60kg。体温37.0°C。脈拍 96/分、整。血圧106/60mmHg。呼吸数22/分。SpO 94%(room air 。眼瞼結膜 と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。右下背部にcoarse cracklesを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。浮腫を認めない。 瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。腱反射は正常で運動麻痺、感覚障害および運 動失調を認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白(− 、糖(− 、潜血(− 、沈渣に赤血球、白血球を認め ない。血液所見:赤血球370万、Hb12.0g/dL、Ht36%、白血球11,300(好中球 79%、好酸球1%、好塩基球0%、単球6%、リンパ球13% 、血小板26万。血液 生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン3.5g/dL、AST22U/L、ALT11 U/L、ALP217U/L(基準115〜359 、γ-GT29U/L(基準8〜50 、アミラーゼ94 U/L(基準37〜160 、尿素窒素29mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、血糖140 mg/dL、HbA1c6.8% (基 準4.6〜6.2 、Na136mEq/L、K4.6mEq/L、Cl96 mEq/L、Ca8.2mg/dL。CRP20mg/dL。 患者は入院加療の後、退院して介護保健施設に入所する方針となった。介助をす ればきざみ食を摂ることができるが、食事中にむせ込むことも多い。 今後の栄養摂取方法を決定するにあたりまず行うべきなのはどれか。