化学
薬剤師国家試験 第107回 問211
211 / 345
35 歳女性。喫煙歴 15 年( 1 日 20 本)。以前から、ニコチンガムやニコチ ンパッチによる禁煙を試みたが失敗を繰り返していた。今回、禁煙外来を受診し、 ニコチン受容体の部分刺激薬であるバレニクリン酒石酸塩錠による禁煙を試みるこ とになった。女性は、医療機関でニコチン置換療法とは異なる治療法であると説明 を受け禁煙に意欲的だが、また失敗するのではないかと不安にもなっている。 15 禁煙療法に用いられた薬物の構造から、ニコチン性アセチルコリン受容体との相 互作用に関わる化学的性質として、正しいのはどれか。2つ選べ。 H N N HN N H N CH 3 H バレニクリン ニコチン
正解と解説
表示する
正解 2, 5
共に生体内でカチオン性を示す窒素原子をもつ。 / ニコチンの sp2 混成窒素は水素結合受容体として働く。16
バレニクリンとニコチンはいずれも生理的pHでプロトン化されカチオン性を示す塩基性窒素原子を持ち、この陽電荷がアセチルコリンの四級アンモニウム部分を模倣してニコチン性アセチルコリン受容体との結合に関与しており、ニコチンのピリジン環のsp2混成窒素は孤立電子対を持ち水素結合の受容体として働き受容体結合に寄与するため、2と5は正しい。バレニクリンには不斉炭素(鏡像異性体を生じる立体中心)は存在せず、天然のニコチンの不斉炭素はS配置であるため、3と4は誤りである。