必修問題
医師国家試験 第109回 問108
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79歳の男性。呼吸困難のため搬入された。10年前から高血圧症、脂質異常症お よび2型糖尿病で加療中である。1年6か月前に急性心筋梗塞を発症し、左前下行 枝の完全閉塞に対しカテーテル治療を施行された。その後、抗血小板薬、利尿薬お よび b遮断薬を投与され、日常生活で心不全の症状を認めなかった。数日前から 労作時の息切れを自覚し、数時間前から安静時にも強い呼吸困難を生じたため救急 搬送された。意識は清明。脈拍104/分、整。血圧154/102mmHg。呼吸数24/分。 SpO 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。心尖部を最強点とするIV/ VIの収縮期雑音を聴取する。両側の胸部にcoarse cracklesとwheezesとを聴取す る。血液生化学所見:AST22IU/L、ALT19IU/L、LD218IU/L(基準176〜353)、 CK52IU/L(基準30〜140)、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉952pg/mL(基準 18.4以下)。胸部エックス線写真(別冊No.5A)と心エコー図(別冊No.5B)とを別 に示す。 呼吸困難の原因として考えられるのはどれか。


正解と解説
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正解 d
僧帽弁閉鎖不全症
陳旧性心筋梗塞の患者に急速に進行した呼吸困難と肺うっ血が生じ、心尖部を最強点とする収縮期雑音とBNPの著明高値を認めることから、急性の僧帽弁閉鎖不全症による心不全が考えられます。梗塞に伴う乳頭筋機能不全や腱索断裂により弁が接合不全を起こし、逆流血が左房から肺静脈へ及んで急性肺水腫をきたします。心室中隔穿孔では胸骨左縁が最強点となり、CKが正常であることから新規の梗塞は考えにくい状況です。