必修問題
医師国家試験 第109回 問261
261 / 500
86歳の男性。なんとなく元気がないと家族から往診の依頼があった。数日前か ら食欲が低下し、いつもより元気がないと同居の妻から説明を受けた。本人は何と もないと言う。ほぼベッド上の生活で食事摂取は自立しているが、それ以外の ADLには介助を必要としている。5年前から脳梗塞後遺症(左片麻痺)、混合型認 知症、高血圧症、前立腺肥大症および胆石症で訪問診療を受けている。意識レベル はJCSI-2。体温36.5°C。脈拍112/分、整。血圧110/80mmHg。呼吸数16/分。 SpO 96%(room air)。眼瞼結膜は貧血様でない。眼球結膜に黄染を認めない。心 音と呼吸音とに異常を認めない。腹部では腸雑音がやや亢進し、右季肋部の触診を 行うと右手で払いのけようとする。下腿に浮腫を認めない。 正しい判断はどれか。
正解と解説
表示する
正解 c
SpO が 96%なので呼吸不全ではない。
SpO2 96%はPaO2にしておよそ80Torr前後に相当し、呼吸不全の定義であるPaO2 60Torr以下には当たらないため、この時点では低酸素血症を否定してよい判断となります。一方、高齢者では症状が非典型的で、浮腫がなくても心不全、発熱がなくても感染症、訴えがなくても胆囊炎は否定できず、実際に右季肋部の触診で払いのける動作は疼痛を示唆します。急性貧血の初期には眼瞼結膜の蒼白がはっきりしないこともあり、消化管出血も否定できません。