一般問題
医師国家試験 第110回 問489
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50歳の女性。ぼーっとした様子になったことを心配した家族に連れられて来院 した。もともと明るい性格で、家事やパートタイムの仕事を活発にこなしていた が、1か月前に長男が大学受験に失敗した頃から「ゆううつだ、元気が出ない」と訴 え始めた。家族によると、2週前に自宅近くの診療所を受診し抗うつ薬と睡眠薬と を処方されたが改善せず、数日前からぼーっとした様子になったという。家事の手 際が普段よりはるかに悪く、時間がかかっている。5年前に人間ドックで慢性甲状 腺炎を指摘されていた。診察時、抑うつ気分、意欲の低下および注意機能の低下が みられた。頭部MRIで異常を認めない。脳波検査では基礎波として広汎な8〜9 Hzのα波がみられた。 この患者にみられる精神障害として最も考えられるのはどれか。
正解と解説
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正解 d
症状性精神障害
慢性甲状腺炎の既往がある中年女性に、抑うつ気分、意欲低下、動作緩慢、注意機能低下が出現し、抗うつ薬に反応しない経過は、甲状腺機能低下症による身体疾患を基盤とした症状性(器質性)精神障害を示唆します。脳波で基礎律動が8〜9Hzと軽度徐化している点も器質的関与を支持します。甲状腺ホルモンの補充によって精神症状の改善が期待されるため、まず甲状腺機能の評価が必要です。