一般問題
医師国家試験 第111回 問200
200 / 500
36歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。夏季に作業のため穀物貯蔵 タンク内に入ったところ、間もなく意識を消失して倒れた。作業前に普段と変わっ たところはなく、所持品に不審なものもなかった。救急隊接触時、全身にチアノー ゼを認め、SpO 88%であった。来院時の意識レベルはJCSIII-300。体温37.2°C。 心拍数108/分、整。血圧132/90mmHg。呼吸数16/分。SpO 100%(リザーバー 付マスク10L/分 酸素投与下)。心音と呼吸音とに異常を認めない。皮膚は湿潤し ており、血管拡張は認めない。血液所見:赤血球530万、Hb16.0g/dL、白血球 6,000。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、AST30U/L、ALT32U/L、CK22 U/L(基準30〜140)、尿素窒素16mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、Na142 mEq/L、K3.8mEq/L、Cl102mEq/L。心電図と胸部エックス線写真とに異常を 認めない。 最も考えられる病態はどれか。
正解と解説
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正解 b
酸素欠乏症
穀物貯蔵タンクなどの閉鎖空間では、穀物の呼吸や微生物による酸素消費で内部の酸素濃度が低下しています。ここへ入ると数呼吸で意識を失い、現場でチアノーゼとSpO2低下を認めますが、酸素投与によって速やかにSpO2が回復する点が特徴です。一酸化炭素中毒ではSpO2が見かけ上高く保たれ、硫化水素やシアン化水素の中毒では組織の酸素利用障害により皮膚が紅潮しやすく、代謝性アシドーシスや電解質異常を伴うのが通常です。