医師国家試験 第118回 問193
61歳の男性。交通外傷のため救急車で搬入された。 現病歴 : 乗用車で走行中に塀に衝突し腹部を強打し動けない状態だった。シート ベルトを装着しておりエアバッグが作動していた。目撃者が救急車を要請した。 既往歴 : 虚血性心疾患で抗血小板薬を服用している。 生活歴 : 飲酒は機会飲酒。 家族歴 : 父と兄が高血圧症で治療中である。 現 症 : 意識は清明。身長162cm、体重54kg。体温37.0°C。心拍数112/分、 整。血圧80/44 mmHg。呼吸数26/分。SpO 98%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。皮膚は四肢に冷汗と湿潤を認める。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を 認めない。口腔内は乾燥している。頸静脈の怒張を認めない。心音と呼吸音とに異 常を認めない。腹部は膨満しており、肝・脾を触知しない。腸雑音は減弱してい る。 検査所見 : 血液所見:赤血球410万、Hb10.1g/dL、Ht40%、白血球10,300 (好中球75%、好酸球1%、好塩基球1%、単球6%、リンパ球17%)、血小板32 万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン4.0g/dL、総ビリルビン0.9 mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL、AST65U/L、ALT34U/L、LD177U/L(基 準124〜222)、ALP55U/L(基準38〜113)、γ-GT32U/L(基準13〜64)、アミラー ゼ130U/L(基準44〜132)、CK382U/L(基準59〜248)、尿素窒素22mg/dL、ク レアチニン0.6mg/dL、尿酸6.2mg/dL、血糖228mg/dL、HbA1c5.8%(基準 4.9〜6.0)、Na142mEq/L、K4.4mEq/L、Cl97mEq/L。 小腸、腸間膜および脾臓の損傷に対して小腸切除と脾臓摘出を行った。小腸は浮 腫が認められたが、閉腹は可能であった。ICU入室後、心拍数68/分、血圧132/76 mmHgまで改善した。動脈血ガス分析(調節呼吸、FO 0.3)はpH7.40、PaCO 35 I 2 2 Torr、PaO 180 Torr、HCO − 21mEq/L、BE -6mEq/Lであった。 2 3 この段階で腹部コンパートメント症候群を評価するために腹腔内圧をモニターす る際、最も有用な測定部位はどれか。