医師国家試験 第116回 問325
60歳の女性。背部痛と体重減少を主訴に来院した。 現病歴 : 1か月前から背部痛を自覚していた。市販の外用薬を貼ったりマッサー ジを受けたりしていたが改善しないため来院した。この3か月間で体重が3kg減 少している。 既往歴 : 55歳時から高血圧症で降圧薬を服用している。 生活歴 : 夫と2人暮らし。 家族歴 : 父が高血圧症、母が高脂血症。 現 症 : 意識は清明。身長155cm、体重45kg。体温36.2°C。脈拍96/分、整。 血圧126/80mmHg。呼吸数18/分。SpO 98%:room air<。眼瞼結膜は蒼白で、眼 球結膜に黄染を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音に 異常を認めない。腹部は膨満しており、波動を認める。聴診で腸雑音は減弱してい る。肝・脾を触知しない。両下腿に軽度の浮腫を認める。腱反射は正常である。感 覚系に異常を認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球401万、Hb10.5g/dL、Ht31%、白血球4,500、 血小板29万。血液生化学所見:総蛋白5.9g/dL、アルブミン2.9g/dL、総ビリ ルビン0.9mg/dL、AST24U/L、ALT22U/L、LD363U/L:基準120〜245<、 ALP146U/L:基準38〜113<、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、血 糖93mg/dL、CEA10.6ng/mL:基準5以下<、CA19-9352U/mL:基準37以下<。 腹部超音波検査および腹部CTで膵体部に径10cmの腫瘤、肝両葉に径1〜2cm の多発する腫瘤陰影を認める。腹水の貯留を認める。 担当医は患者に病状を伝えるために以下のように行動した。 まず、1患者との面談の前に夫に電話で検査結果を伝えた。面談では、2今まで の症状について患者の認識を確認した。次に、3患者が今回の検査結果をどこまで 知りたいか確認した。その上で、なるべく平易な言葉や図を用いて腹部造影CTの 結果を説明した。患者は驚き混乱している様子であったため、4患者の気持ちを察 して少し間をとってから声をかけた。最後に、5患者の気持ちを傾聴し、共感の態 度を示した。 悪い知らせの伝え方について、下線部のうち誤っているのはどれか。