司法書士試験 (多肢択一式) 2020年度 午後 第18問
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次の対話は,共有名義の不動産についての持分放棄に関する司法書士と補助者との対 話である。司法書士の質問に対する次のアからオまでの補助者の解答のうち,正しいも のの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。 司法書士: 地目が畑であり,A,Aの兄B及び妹Cが所有権の登記名義人である甲土 地があり,甲土地の登記記録上,甲区1番に「昭和63年2月1日贈与」を登 記原因及びその日付として,A,B及びCの持分がそれぞれ3分の1ずつ登 記され,その後,乙区1番に「平成10年2月10日設定」を登記原因及びその 日付とするDの地上権の設定の登記がされているものとします。 この事例で,Aが甲土地の持分の全部を放棄する旨の意思表示をした場合 において,当該意思表示に基づいてAの持分の移転の登記を申請するときの 登記の目的,登記原因及びその日付は,どのようになりますか。 補助者:ア 登記の目的は,「A持分全部移転」となります。また,登記原因は,「放棄」 であり,その日付は,Aが甲土地の持分の全部を放棄する旨の意思表示をし た日になります。 司法書士: 先の事例で,Cが当該意思表示に基づくAの持分の移転の登記の申請を拒 んでいるときは,A及びBは共同して,当該意思表示に基づきBに帰属した 持分についてのみ当該移転の登記の申請をすることができますか。 補助者:イ いいえ,できません。 司法書士: 先の事例で,A,B及びCが共同して,当該意思表示に基づきAからBへ の持分の移転の登記とAからCへの持分の移転の登記とを同時に申請する場 合において,B及びCの住所が甲土地の登記記録上の住所と一致するとき は,B及びCの住所を証する市町村長が職務上作成した情報を提供すること を要しますか。 補助者:ウ 提供することを要しません。 司法書士: では,Dの承諾を証する情報については,どうですか。 補助者:エ 提供することを要しません。 司法書士: 農地法所定の許可があったことを証する情報については,どうですか。 補助者:オ 提供することを要しません。
正解と解説
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エオ
正しいのはエとオ。エは、持分放棄による持分の移転は他の共有者に帰属するにすぎず、地上権者Dは登記上の利害関係を有する第三者に当たらないから、その承諾を証する情報の提供を要しない。オは、持分の放棄は単独行為であって農地法所定の許可を要する権利移動には当たらないから、農地である甲土地の持分の移転であっても許可を証する情報の提供を要しない。アは登記原因が「放棄」ではなく「持分放棄」となる点で誤り、イは持分放棄による移転の登記は帰属する共有者ごとに申請することができるのでA及びBのみで申請でき、ウは持分の移転の登記は所有権に関する登記であるから登記権利者B及びCの住所を証する情報の提供を要するので、いずれも誤り。