医師国家試験 第109回 問273
63歳の女性。腹部膨隆と尿失禁とを主訴に来院した。 現病歴 : 2年前から腹部膨満感を認めるようになった。次第に腹部膨隆が目立つ ようになり、食欲はあるが食事をとるのがつらく、時々尿失禁を認めるようになっ たため受診した。 既往歴 : 30歳時に子宮内膜症。 生活歴 : 幼少期に両親が離婚して母親と2人で暮らしていたが、母親が死亡した ため3年前からは一人暮らし。 家族歴 : 父親は詳細不明。母親が肺炎のため85歳で死亡。 現 症 : 意識は清明。身長157cm、体重55kg。体温36.5°C。脈拍84/分、整。 血圧166/90mmHg。呼吸数18/分。SpO 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜と に異常を認めない。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知し ない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は著明に膨隆し、腫大した肝と腫瘤 とを腹部全体に触知する。腸雑音に異常を認めない。四肢に異常を認めない。 検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体1+、潜血1+、沈渣に白血球 を認めない。血液所見:赤血球406万、Hb12.3g/dL、Ht41%、白血球6,130、 血小板22万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン4.5g/dL、総ビリ ルビン0.4mg/dL、AST18IU/L、ALT9IU/L、LD157IU/L(基準176〜353)、 ALP288IU/L(基準115〜359)、c-GTP44IU/L(基準8〜50)、アミラーゼ95IU/L (基準37〜160)、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.2mg/dL、尿酸6.3mg/dL、 血糖98mg/dL、総コレステロール195mg/dL、トリグリセリド152mg/dL、 Na140mEq/L、K3.9mEq/L、Cl103mEq/L。腹部単純CTの冠状断像(別冊 No.12)を別に示す。 別 冊 No. 12 今後経過中に出現すると考えられる症候として可能性が最も高いのはどれか。
