薬剤師国家試験 第110回 問214
214 / 345
52 歳男性。身長 167 cm、体重 56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れや しこりがあり、近医を受診した。医師の診察により、頸部リンパ節腫大を認めたた め、医師は精査目的で地域医療支援病院の血液内科を紹介した。病変部位の生検の 結果、ホジキンリンパ腫と診断された。 3 日後から ABVD 療法を開始する予定で ある。 (ABVD 療法) 投与 投与 投与量 時間 スケジュール (処方 1 )ドキソルビシン塩酸塩注射用 25 mg/m2/day 30 分 day 1,15 (処方 2 )ブレオマイシン塩酸塩注射用 10 mg/m2/day 30 分 day 1,15 (処方 3 )ビンブラスチン硫酸塩注射用 6 mg/m2/day 15 分 day 1,15 (処方 4 )ダカルバジン注射用 375 mg/m2/day 60 分 day 1,15 1 コースは 28 日間で、 4 コースを実施する。なお、 4 コース実施後に ISRT (病巣部放射線照射療法)を施行予定 病棟カンファレンスに参加する際、この治療に関して担当薬剤師が留意する情報 として、適切なのはどれか。2つ選べ。
正解と解説
表示する
処方 2 の薬剤の累積投与量の増加に伴い、肺機能の低下に注意すること。 / 処方 4 の薬剤は光に不安定であり、光分解によって血管痛の原因となる物質が生じるため、点滴容器及び経路全体を遮光して投与すること。
ブレオマイシンは肺毒性(間質性肺炎・肺線維症)を有し累積投与量の増加とともにそのリスクが高まるため慎重な経過観察が必要であるため正しい。ダカルバジンは光に不安定な薬剤であり光分解により生じる代謝物が血管痛の原因となるため点滴容器から投与経路まで遮光する必要があるため正しい。ビンブラスチンなどビンカアルカロイド系抗がん剤は血管外漏出により強い組織壊死を来す壊死起因性抗がん剤であり漏出時は直ちに投与を中止すべきであり、ABVD療法は中等度から高度の催吐性リスクを有するレジメンで制吐薬の予防的投与が必要であるため、これらの記述は誤りとなる。