薬剤師国家試験 第104回 問139
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新生児マススクリーニングは、先天性代謝異常を出生直後に早期発見し、 栄養療法による早期治療を目指す事業である。近年、新たな新生児マススクリーニ ングとしてタンデムマス法を用いた脂肪酸代謝異常症の検査が始まった。検査でき る主な脂肪酸代謝異常症には、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ–1 (CPT–1)欠損症、極長鎖アシル CoA 脱水素酵素(VLCAD)欠損症、中鎖アシ ル CoA 脱水素酵素(MCAD)欠損症がある。図 1 はヒトにおける長鎖脂肪酸と中 鎖脂肪酸の代謝の概略である。ミトコンドリアにおいて、VLCAD は長鎖脂肪酸、 MCAD は中鎖脂肪酸の b 酸化に関与する。なお、 3 種の代謝異常症に関わる酵素 を で示している。 中鎖脂肪酸 長鎖脂肪酸 細胞膜 長鎖脂肪酸 アシルCoA カルニチン ミトコンドリア外膜 CPT–1 CoA ミトコンドリア内膜 アシルカルニチン 脂肪酸のb酸化 アシルカルニチン VLCAD アシルCoA カルニチン 中鎖脂肪酸 アシルCoA アセチルCoA MCAD 図 1 脂肪酸の代謝経路 36 新生児マススクリーニングで使われているタンデムマス法は、 2 段の質量分離 部を用いる方法である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
正解と解説
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1 段目の質量分離部で選択される特定のイオンのことを、プリカーサーイオンという。 / タンデムマス法は、アミノ酸や有機酸などの代謝物の一斉分析にも有用である。39
タンデムマス法は質量分析部を直列に2段配置し、1段目で選別した特定のイオン(プリカーサーイオン)を2段目でさらに解離させて代謝物を検出する手法であり、アミノ酸や有機酸など多数の代謝物を同時に一斉分析できる点が新生児マススクリーニングでの有用性の根拠である。試料のイオン化はエレクトロスプレーイオン化法などが用いられ、原子吸光分析で使われる冷蒸気法ではなく、質量分離部は並列ではなく直列に配置される点も誤りである。