医師国家試験 第120回 問188
28歳の女性。右下肢の脱力を主訴に来院した。 現病歴 : 8年前に左眼がかすんで見えたが、自然に軽快した。7日前に右下肢の 脱力を自覚した。5日前から、お風呂に入ったとき、お湯の温かさを左下肢で感じ なくなった。2日前から、走れなくなったため受診した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 生活歴 : 職業は看護師。夫と2人暮らし。喫煙は10本/日を8年間。飲酒歴はな い。 家族歴 : 母が橋本病。 現 症 : 意識は清明。身長162cm、体重52kg。体温36.6°C。脈拍84/分、整。 血圧110/62 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平 坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。視力は右0.6(1.0×-1.5D)、 左0.8(1.2×-1.0D)。視野に異常を認めない。瞳孔径と眼裂に左右差はなく、眼 球陥凹を認めない。他の脳神経も異常を認めない。四肢筋力は、両上肢と左下肢は 正常、右下肢は徒手筋力テストで3〜4の筋力低下を認める。腱反射は右下肢で亢 進し、右Babinski徴候が陽性である。鼻指鼻試験、手回内・回外試験で異常を認 めない。左下肢で温痛覚が低下しているが、振動覚、関節位置覚に異常を認めな い。右下肢で振動覚、関節位置覚が低下しているが、温痛覚に異常を認めない。両 上肢では感覚に異常を認めない。排尿と排便に異常を認めない。 検査所見 : 血液所見:赤血球460万、Hb12.2g/dL、Ht40%、白血球5,300、 血小板23万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.2g/dL、総ビリ ルビン0.8mg/dL、AST21U/L、ALT17U/L、LD145U/L(基準124〜222)、尿 素窒素13mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、血糖90mg/dL、HbA1c5.3%(基準 4.9〜6.0)、Na140mEq/L、K4.2mEq/L、Cl102mEq/L。免疫血清学所見: CRP0.1mg/dL、 MPO-ANCA2.0U/mL(基準3.5未満)、 PR3-ANCA1.0 U/mL(基準3.5未満)、抗アクアポリン 4 抗体 陰性。脳脊髄液所見:初圧 90mmH O(基準70〜170)、細胞数1/mm(3 基準0〜2)(すべて単核球)、糖(定量) 60mg/dL(基準50〜75)、蛋白(定量)62mg/dL(基準15〜45)。 病態に関与し、再発予防の治療標的となるのはどれか。