実務
薬剤師国家試験 第108回 問305
305 / 345
78 歳女性。大腸がんに対して、 5 年前から化学療法が実施されていたが、 副作用、本人の体力の低下から 3 ヶ月前に中止となった。今回、食物摂取による誤 嚥性肺炎のため入院となり、せん妄状態である。これまでも誤嚥性肺炎のための入 院と退院を繰り返しており、 1 ヶ月前から経口での食物摂取が困難となることが多 く、家族が大変苦労していたとのことであった。 患者は夫と死別しており、キーパーソンである一人息子が延命治療を望んでい る。 持参薬等の所有物を確認したところ、患者本人が書いたリビングウィルの文書が お薬手帳に折り込まれていた。病状が末期の時には延命治療を希望しないという文 章にチェックが入れられていた。文書作成の日付は、約 2 年前であった。 19 息子と本人の意向が異なっているため、治療方針について、医師、看護師、薬剤 師、メディカルソーシャルワーカーなどで構成された倫理コンサルテーションチー ムでカンファレンスを実施した。今後の対応として適切でないのはどれか。1つ選 べ。
正解と解説
表示する
正解 4
リビングウィルの作成年月日が入院時のものではなかったため、医療者の治療方針を優先させる。
リビングウィルの作成年月日が古いことのみを理由に本人の意思を軽視し、医療者側の方針を優先するのは適切ではなく、多職種で情報を共有しながら本人の意向や家族の理解を丁寧にすり合わせていく対応が求められる。息子への説明やかかりつけ薬局への確認など、他の選択肢は倫理コンサルテーションの過程として妥当である。